心さん、そろそろ俺にしませんか?



「コイツ、超動物好きなんだよ」


すると、西川先輩が心さんを指さして言った。心さんを小馬鹿にしたような笑顔が、少しだけ気にくわない。


それに、俺は心さんのことを知ってるぜみたいな顔をされたみたいで……ムカつく。


「だって可愛いだろ?」


「その考えズレてるって。カエルを可愛いって言う女子、お前以外知らねぇって」


「世界は広いし、西川が知らないだけだ!」


でも、そんな西川先輩に反発する心さんの姿を可愛いって思ってしまう。


「原田!お前もそう思うよな?」


「あ、その……」


「なにぃ?お前も西川派か!?」


すみません、これだけは西川先輩と同じ意見かもしれないっす。


「はははっ!てことで、早くそのカエル生地へ戻してこいよ」


「言われなくてもそのつもりだ!」


あっかんべをして俺と西川先輩を残して、グラウンドを後にした心さんだった。


って、俺……今、すごい立場いる気がする。



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