心さん、そろそろ俺にしませんか?



なんていうか、天然?鈍感?アホ?


「あ!原田って前に吉野がサッカー部の原田と間違えた奴か!」


何を思い出したのか、あぁ!というように俺を見た西川先輩。


「あ、そんなこともあったっす」


「あん時は悪かったな!アイツに詳しく伝言しなかった俺も俺だけどな~」


いえ、むしろ感謝してます。


あの間違いがあったから、俺は心さんと近づけたんっすから。


あれがなかったら、きっといまだに話せずに目で追うだけで高校卒業するんだったんだろうな、俺。


「原田、やっぱりさっきのサッカー部勧誘の件はなし!原田が同じ部に2人もいるとややこしいし」


あの、元々入る気ないっすけど?


「お前は剣道頑張れよ!」


クソ、なんか悔しい。


身長は大して変わらないのに、西川先輩から応援されんのが悔しくて嬉しくない。


それはきっと、心さんの好きな人だから。



< 59 / 387 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop