心さん、そろそろ俺にしませんか?



『それにしても身長高いなー。原田180あるだろ?』


『あ、は……はい』


『こりゃモテるな?』


『い、いえ、別に……』


ドキドキし過ぎて言葉がカタコトになる。やばい……イキナリ緊張してるよ、俺。


『じゃ、あたしは4組に行って来る!』


『は、はい』


『剣道だったっけ?頑張れよ!』


そう言って、隣の組へ足を進めていった心さん。俺は4組に心さんの姿が見えなくなるまで、彼女の後ろ姿を見つめていた。


心さんの身長はそんなに高くない。高いかもしれないけど、俺からすると小さい。


並だけど、並じゃない。


俺の目に映る心さんは、もう、1人の女だった。



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