心さん、そろそろ俺にしませんか?



昼空は元気を与える力を持っているけど、夜空は包容感に包まれるっていうか、癒されるっていうか。この癒しってリラックス効果あるから、剣道部では必要な伝統なんだな。


でもさ、気づいたんだ。


キラキラ輝く星が心さんの瞳に見える。そうか、この輝きに惚れたんだ。誰にも渡したくないって、俺だけを見てほしいって。


正直に言うと、心さんは西川先輩しか見ていないから諦めようかと思った。でも、やっぱりモヤモヤする。


それに、簡単に諦められるわけがない。


だから、心さんが西川先輩を見ていても、俺は心さんを追いかけ続けよう。


たとえそれが、交わらない想いだとしても。


「うお~!泣けてくる!」


「俺のハートが洗われるよ!」


と部員の声が飛び交う中、隣にいるイチが目を閉じて爆睡しているのを少し気にして、小さな決意をした俺だった。



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