心さん、そろそろ俺にしませんか?
俺のことも応援してください。
いろんな行事があった夏休みが終わり、新学期が始まった。課題の提出はなんとか間に合った。
「なんで課題終わってんの~?」
「普通だろ?」
「一緒に剣道してたのに~」
俺の机の上で駄々をこねながら、まだ終わっていない課題に手をつけているイチ。ったく、計画性ないんだから。
「これじゃあ部活も体育祭の練習も出れねぇよ~」
「自業自得」
そう、今月の中旬には体育祭がある。さらに部活の大会も迫ってきているのに、イチのやつは課題未提出のため、今は特に部活には出れないのだ。
「裏切り者め」
「部活行ってこよ」
荷物を取って教室を後にした俺。後ろから冷たい視線を感じたのは言うまでもない。仕方なくUターンをしてイチの元へ。
「早く終わらせろよ、お前」
それだけ言い残して、今度こそスタスタと部活へ向かった。
「おい、森原は?」
「居残りです」
もちろん、キャプテンには今日も本当のことを伝えて、な。