心さん、そろそろ俺にしませんか?



そして、あっという間に来てしまった体育祭。快晴で雲一つない空の下、周りの女子達は日焼け止めを塗るのに必死だ。


「あんなの塗っても汗で落ちそう」


「男にはわかんねぇな」


男共の言葉に鋭い目を向ける女子達。慌てて教室から出ていく男共だった。


「マジ?日焼け止め塗ってないの?」


「あぁ!んなもん塗るかよ」


「ほら、貸してあげるからこっち来な~」


「いらねぇ!うぎゃ、やめろっ!」


校庭のあるテントで、心さんが先輩達に強制的に日焼け止めを塗られているのを目撃。塗られることに抵抗するけど、焼けることに抵抗はなかったんだろうな、心さん。


あ、塗られて不機嫌になってる。ぷくっと頬を膨らませて先輩達を睨むその姿が、とても可愛く見えた。


「熱いな、俺の隣は熱い」


そんな俺を茶化すイチは、無事に課題を提出し終わり、顧問とキャプテンに雷を食らっていた。いい気味だったな、あの時のイチの顔。



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