心さん、そろそろ俺にしませんか?
ニヤニヤしながら俺を見るイチ。俺は目を泳がせてから歩き出した。
「ぶ、部活に遅れるぞっ」
「わ~優生が赤くなってる~」
「あっ、赤くねぇしっ」
「おうおう。これからが楽しみだな」
1人でうんうん頷いているイチ。
最悪。こんな奴にバレるなんて。俺はどれだけ心さんのことを見つめてたんだよっ。
もう一度、心さんの方を見た。まだ、西川先輩と話している。その光景を見ただけで、胸が苦しくなる。
やっぱり、好きだなって思う。
心さんが年上でも、男みたいにガサツでも、好きなんだ。
西川先輩のポジションが羨ましい。俺もその位置に立って、心さんと話してみたい。
ずっと、見つめていたい。