心さん、そろそろ俺にしませんか?



ニヤニヤしながら俺を見るイチ。俺は目を泳がせてから歩き出した。


「ぶ、部活に遅れるぞっ」


「わ~優生が赤くなってる~」


「あっ、赤くねぇしっ」


「おうおう。これからが楽しみだな」


1人でうんうん頷いているイチ。


最悪。こんな奴にバレるなんて。俺はどれだけ心さんのことを見つめてたんだよっ。


もう一度、心さんの方を見た。まだ、西川先輩と話している。その光景を見ただけで、胸が苦しくなる。


やっぱり、好きだなって思う。


心さんが年上でも、男みたいにガサツでも、好きなんだ。


西川先輩のポジションが羨ましい。俺もその位置に立って、心さんと話してみたい。


ずっと、見つめていたい。



< 8 / 387 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop