心さん、そろそろ俺にしませんか?
「部活に行きますよ~。心さんが好きな優生くん」
少し前を歩いていたイチが振り返ってそう言った。
「アホ!おまっ……」
「急がねーと、先輩達に優生は恋患いで遅れてきましたって言うぞ」
「や、やめろっ」
そしてダッシュでイチの背中を追いかけて、部活へ向かった。
「お前ら、部活始まってるぞ。今まで何してたんだ?」
「その……」
キャプテンに怖い顔で睨まれた。俺より身長は低いが、半端なく圧力はある。だから、話すのもたじたじになってしまう。
「すみません!部活に行く途中に先生につかまって、資料を運ぶのを手伝わされていました」
そう言ったのはイチだった。