プレゼント





今年も、冬が来た。


あの転校生が来て、七ヶ月がたつ。



すっかり定着した永橋は、雫に、姿や声がそっくりだ。


性格は、雫の方がおとなしくて…可愛いけど……。



「雪斗ぉ!!聞いてた?!」



ずっと喋り続けていた永橋は、怒って僕に聞いて来た。



「あ、あー…ごめん。何?」



僕の前の席に座っている永橋は、いきなり立ち上がった。



「だぁーかぁーらぁっ!」



口を大きく開いて言った。



「行くの?!紫季姉の所へ!!」


【黒原 柴季】は、僕の姉だ。



…とは言っても、近所に住んでる人だけど。

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