プレゼント
無論、憎い。殺してやりたい程。
だけど、今は…――――――。
ガラッ。教室の前扉が開く。
「今日は、転校生を紹介するわね!」
カッ。と音をたてながら、字を並べて行く。
【永橋 雫】
……同じ。同じ漢字に、同じ顔。
……そっくりで……
でも、もう…お葬式もして………。
何で、今…?
こんな残酷な…
夢を見せるんだ…?
「じゃあ、雪斗君の隣ねぇー!」
僕の隣…。
「よろしく!」
小さな声で、話かけて来る。
「ねぇ、名前は?」
同じ顔で、同じ声で、同じ名前で…
僕に…話かけないでよ………。
「詞伊那。【詞伊那 雪斗】。」
「じゃー雪!よろし…」
同じ名前で呼ぶなよ。
「ゴメン。雪、って呼ぶのは、ちょっと。」