キミだけに
春樹くんの席は、あたしの斜め前。
あたしの前の席の憂と隣どうしになった。
「憂さん、教科書みせてくれる?」
「あ、どうぞ」
隣だからか、2人はなんとなく仲が良くなっているみたいだ。
そんな2人を見ていると、別の人が視界にはいった。
遥ちゃんだ・・・
遥ちゃんが憂を睨んでる。
憂へのいじめがまた激しくなる。
春樹くんは遥ちゃんに気に入られてるから。
あたしは弱虫のくせに、
遥ちゃんに刃向かう勇気なんかないくせに、
憂が好きだ。
だから、春樹くんを呼びだした。