咲く*ラプンツェル
絵本で読んだラプンツェルの物語。
ラプンツェルは、魔女に閉じ込められてるの。
決して逃げられない、高い高い塔の上に。
何にもない塔の上に。
それは、ラプンツェルが生まれてきたときから決まっていたこと。
定められていた運命。
小さいときは、魔女が何をしたいのか分からなかったっけ。
閉じこめて、いじめるわけでもなく、こき使うわけでもなく。何がしたかったんだろうって思ってたっけ。
この魔女は何がしたいのかな。
……純ちゃんは。
「じゃあいってきまーす!」
「…あっ、もう行くの。いってら……ってやっぱはしご!? 空飛ばないの!?」
「寂しい思いさせてごめんね心! なるべく早く帰ってく、ってぎゃあ!!」
「いいよ!早く降りなよ、危ないよ!」
…わたしを親友と呼んでくれる、ちょっと愉快なこの魔女は。