咲く*ラプンツェル
「不満あんならちゃんと言えよ。魔女に」
「魔女じゃなくて純ちゃん!」
「……純乃に」
プイッとそっぽを向いた透真。
…優しいでしょ、この王子さま。
いつも「アホだな」ってわたしに言うけど、いつも自分より人の心配してるんだよ。
いつも気にかけてくれる、頼りになる、わたしの幼なじみ。
そんな素敵な王子さまに、心配ないよと笑いかける。
「本当に平気だよ。それにわたし、いま楽しいし!」
「え、いま?」
「うん。透真がいるじゃん」
「へー、」
ベッドに立てた右足にのせた手のせいで口元は見えなかったけど、透真の口角があがったのは分かった。
ちょっと楽しそうな声をだすから。
「そんなこと言うと俺毎日来るよ」