咲く*ラプンツェル
言葉通り、それから透真は毎日来てくれた。
わたしがあの時うれしい気持ちを隠しきれな
顔で頷いたから。
「なんかリンゴもらった。食う?」
「わー真っ赤! 誰に誰に!?」
「森のリス」
「へー! お礼言っといてね」
来るのは決まって純ちゃんがいない夕方頃。
「純乃めんどくさい」って、そんな理由で透真は純ちゃんを避けてるらしい。
あと「純乃めんどくさい」って、そんな理由でわたしと透真が会ってるのは純ちゃんには内緒らしい。
「今日ね、純ちゃんがね」
「まーた純乃かお前は」
純ちゃんはできる限りわたしと一緒にいてくれるみたいだけど、それでも夕方から夜にはいなかった。
魔女のおつとめはなかなか大変みたい。