咲く*ラプンツェル
「俺が?閉じ込めてんの?心のこと」
「うん。たとえばのはなしー」
“こいつ何言ってんだ”の不思議そうな顔する透真。透真じゃないことくらい分かってるよ。
いつもわたしがこんな突拍子もない発言しても、はいはいって聞いてくれる透真だから。
「ふーん。…まぁそれもいいけど、」
「え」
わたしの視線をたどって透真も空を見たから、わたしは透真を盗み見る。
ふたり並んでベッドに座って。
この窓、天体観測もできるほど大きいんだよ。
「俺なら心つれていろんなトコ行く」
透真が整った切れ長の目を細めてこっちを見るから、目があってしまった。
…あ、これ、
暗闇なのに照らされて
星の瞬きを味方にして
月のように優しく笑って
「…っ透真、王子さまみたい!!」
心臓がひっくり返るほどドキドキいってる。
「みたいじゃなくて王子さまだからな」