咲く*ラプンツェル
「連れ出してやろうか」
───月と星が、綺麗な夜。
不敵に笑う王子さまにはいつだって、真実を言わなくちゃ。
わたしはラプンツェルだ。
「…でたい」
空が飛べないお茶目な魔女、おもしろくて優しくて大好き。
純ちゃんがいてくれるなら寂しくなんてない、本当だよ。
「透真、わたし外に出てみたい」
だけど、もうひとつの大好きな人の世界も見てみたい。
大好きだって
気付いちゃったんだ
顔が赤くなるのをなんとか抑えて言うと、透真はまた優しく笑った。