咲く*ラプンツェル




「……っとに、歪みねえなお前は」


「なによ! あんた幼なじみだからって心に気許されすぎなのよ! 心をねらう男は敵よ!敵!!」

「あ、あの純ちゃん……」



呆れ顔の透真に助けを求めながら声をかける。


どど、どうしよう。
ラプンツェルついていけない。
魔女と王子さまの話に、ラプンツェルついていけない。



「んなもん、心の自由うばう理由にはなんねえよ」



その言葉に、わたしの胸でえぐえぐ泣いてる純ちゃんがピクリと反応した。


ええ、なに!
今度はなに!



「…うる……さいわね……」



ゆらぁり、純ちゃんが顔を上げて透真をその目に映す。
ヒッヒッヒッ、と実に魔女らしい笑いを口元からこぼしながら、純ちゃんは高らかに宣言した。




「こうなったら決闘よ!! どっちが正しいか戦って決めるのよ!!!」




───戦争の、開幕を。








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