咲く*ラプンツェル
窓の外では満開の桜が
新学期の雰囲気を演出してる。
外の空気も青空も、なんだかみんなワクワクしていて。
…今年は何が、待っているかな。
「あ、純ちゃんからメール」
「うっげ」
心ドコー?(;ω;)
もしやとうまと一緒!?Ψ(▼皿▼*)Ψ
クラス発表いこ♪
「いま行くね、っと」
「…あいつとは違うといいな」
「えー! さんにんで一緒がいいよ!」
「魔女と? やだよ。目つぶされそう」
ははは、と透真は笑い声を漏らす。
いやいや笑えてませんよ、ってたぶんツッコんじゃいけないことなんだと判断した。
夢の中で、目を覆いながら力なくしゃがみ込んでいた透真を思い出す。
光を宿らせた、あの瞳。
「透真、見える?」
「え?」
「…心の顔、見える?」
青い姿の、王子さま。
剣を持った王子さま。
最後まで人を心配した王子さま。
魔女に攻撃しなかった王子さま。
わたしの髪をのぼって天辺まで来た王子さま。
ラプンツェルを救う王子さま。