咲く*ラプンツェル
心の中でポツリ呟くと、それに答えるように窓の外から音がした。
ガタガタ、ガタガタ、ガタッ
…すんごく危なっかしい音。
音の正体を確かめるため、わたしは初めてその場から立ち上がり窓から身を乗りだす。
「…ってひゃああああ!!!」
すぐに後ずさり。
…高い!
めっちゃ高い!!
怖い!
ラプンツェルがいる塔は、思った以上に高くそびえ立っているらしい。ちょっとなめてた!
学校の屋上からの景色なんて比じゃないくらい。その2倍…3、倍くらい。あ、いや、やっぱ2.5倍かな。
笑っちゃうほど高かった。
温かい風に頬をなでられ一瞬だけ見えた光景では、誰かがその窓にむかって登ってきてた。はしごで。
見間違えじゃなければ、…この、高さを。
いやいやいや!嘘でしょ!それはさすがにありえませんて奥さん!
待ちかまえていると、やがてニュッと現れた手。
その手は、窓枠につかまった。
誰さ、そんな勇者みたいな人は……
にょきっと姿を見せたのは。
「ラープンツェルっ!」