咲く*ラプンツェル
…気を取り直して説明すると。
純ちゃんはいつもこうやってにこにこ笑って、わたしに優しくしてくれる。美人さんで、いろんなひとから人気者なのに、わたしを最優先にして親友って言ってくれる。
純ちゃんがわたしに大好き、って言ってくれるように、わたしも純ちゃんが大好きだよ。
───だからたとえ、純ちゃんが魔女で、わたしを、ラプンツェルをこの塔に閉じ込めてる張本人だとしても。
純ちゃんがこうして会いに来てくれるなら、寂しいことなんてないよ。
「綺麗な髪、ブラッシングしてあげるわね!」
わたしの頭をさんざん撫で回して満足したらしい純ちゃんは、そう言うと指先をぱちんと鳴らしてブラシを出した。
「えっ、でもコレ、すごい長いよ。純ちゃんめっちゃ疲れるよ」
「でもせっかく綺麗なんだからお手入れしたいじゃない」
「…じゃあコレ、みつあみして!」
さっきから床に散らばる髪を見て思ってたんだけど、これだけ長いと絡まりそうでこわいから。
そう言うと純ちゃんは快く頷いた。
純ちゃんは器用で仕事が早いから、みつあみなんてすぐ終わってしまう。