咲く*ラプンツェル
「わぁ、長い!」
ぐるりと床を見渡すと、さっきとは違って一本になっている髪の束が見えて。
想像以上にそれは長かった。
…何十メートルだろう!
本当にこれが自分の頭皮から伸びてるんだと思うと、不思議なかんじ。だって長すぎる。あと髪の量も多い。
「きれいー…世界一綺麗よ心ぉ…」
「そんな純ちゃん、結婚式のお父さんじゃないんだから」
「結婚式? …心はどっかの男なんぞに渡さないわよ」
「あーうん、はいはい」
床を覆い尽くしちゃうこの長さはもしかしたらここから塔の下までつくくらいかもしれない。
ってくらい、本当に長い。