ユメかふぇ。
「きらきら」
「ちょっとぅ~掃除のオバちゃん!ここ汚れているわよ!ちゃんと掃除しておいてよね(ー_ー)!!」
ひよりはイラつき近くに居た掃除のオバちゃんと思わしき人物に当たっていた。
「すみません!大丈夫ですから本当にすみません(・。・;」
先輩の役者千本松法子がひたすら頭を下げて謝っている姿を見てひよりは面白くない様子。掃除のオバちゃんらしき人が去った後で口を開いた。
「有名人の千本松先輩があんなオバちゃんに頭を下げるなんてみっともないですよね~あ~やだやだイイ人ぶっちゃって<(`^´)>」
「ちょっ…ひより!言い過ぎよ!(-_-;)」
同期の山崎あきえがひよりの代わりに頭をペコペコ下げている。
「あきえちゃんが謝る事ないわ(^_^)」
「でも…」
楽屋の椅子にふてくされたようにどかっと座るひより。
「余程新人の舞に準主役の座を奪われたのが悔しいのね?」
「当たり前です!私のどこがいけなかったんですか?最初あの役は私に決まっていたのに!なんで…なんであんな新人の小娘が私より良いんですか?!」
イラついた感じで煙草にライターで火を点けようとしたひよりの手から千本松は煙草を奪い取る。
「そうねぇ~原因はこれかしらね?」
「え?」
「あの役はね純真な役なのよ…演出家のコトハルさんには舞の方が合っていると思ったからなんでしょうね」
「でも!その演出家のコトハルさんって一度も姿を見せたことがないじゃないですか!それでどうして誰が適役かなんてわかるんですか?!」
「居るわよ」
「え?」
「毎日顔を合わせているでしょ?ちゃんと見られているわよ(^_-)-☆」
「?????」
「さっきも怒鳴っていたじゃない(;一_一)」
「\(◎o◎)/!」
「そ、さっきひよりさんが掃除のオバちゃんって言っていた人が演出家のコトハルさんよ(^_^)vあれ?知らなかったの?この劇場に併設されている喫茶店が有名なユメかふぇだってこと…そうここは夢が叶う場所」
「(T_T)」
ひよりは自分の情けなさに泣きたい気分だ。あきえがひよりの頭をポンッとして笑って言った。
「今ひよりがやるべきことは与えられた役をしっかり演じきることでしょ?」
「うん、そうだね…観に来てくれるお客さんに楽しんでもらう為に頑張らなきゃねありがとう!」
何かをふっ切ったような顔で立ちあがるとひよりは千本松に深々と頭を下げた。
「すみませんでした」
「いいのよ、さあ最終稽古始めるわよ!」
「はい!」
ひよりは笑顔が似合う肩まである髪が楽しそうに揺れている。千本松はどこか宝塚の男役を思わせる風貌をしているがその仕草は誰よりも女性らしい。あきえの大きな瞳がキラキラと輝いて二人を追いかけていく。
そんな3人の姿を見つめながら演出家のコトハルこと辻崎しのは今度の作品はイイ作品になるなと確信していた。
つづく。
「ちょっとぅ~掃除のオバちゃん!ここ汚れているわよ!ちゃんと掃除しておいてよね(ー_ー)!!」
ひよりはイラつき近くに居た掃除のオバちゃんと思わしき人物に当たっていた。
「すみません!大丈夫ですから本当にすみません(・。・;」
先輩の役者千本松法子がひたすら頭を下げて謝っている姿を見てひよりは面白くない様子。掃除のオバちゃんらしき人が去った後で口を開いた。
「有名人の千本松先輩があんなオバちゃんに頭を下げるなんてみっともないですよね~あ~やだやだイイ人ぶっちゃって<(`^´)>」
「ちょっ…ひより!言い過ぎよ!(-_-;)」
同期の山崎あきえがひよりの代わりに頭をペコペコ下げている。
「あきえちゃんが謝る事ないわ(^_^)」
「でも…」
楽屋の椅子にふてくされたようにどかっと座るひより。
「余程新人の舞に準主役の座を奪われたのが悔しいのね?」
「当たり前です!私のどこがいけなかったんですか?最初あの役は私に決まっていたのに!なんで…なんであんな新人の小娘が私より良いんですか?!」
イラついた感じで煙草にライターで火を点けようとしたひよりの手から千本松は煙草を奪い取る。
「そうねぇ~原因はこれかしらね?」
「え?」
「あの役はね純真な役なのよ…演出家のコトハルさんには舞の方が合っていると思ったからなんでしょうね」
「でも!その演出家のコトハルさんって一度も姿を見せたことがないじゃないですか!それでどうして誰が適役かなんてわかるんですか?!」
「居るわよ」
「え?」
「毎日顔を合わせているでしょ?ちゃんと見られているわよ(^_-)-☆」
「?????」
「さっきも怒鳴っていたじゃない(;一_一)」
「\(◎o◎)/!」
「そ、さっきひよりさんが掃除のオバちゃんって言っていた人が演出家のコトハルさんよ(^_^)vあれ?知らなかったの?この劇場に併設されている喫茶店が有名なユメかふぇだってこと…そうここは夢が叶う場所」
「(T_T)」
ひよりは自分の情けなさに泣きたい気分だ。あきえがひよりの頭をポンッとして笑って言った。
「今ひよりがやるべきことは与えられた役をしっかり演じきることでしょ?」
「うん、そうだね…観に来てくれるお客さんに楽しんでもらう為に頑張らなきゃねありがとう!」
何かをふっ切ったような顔で立ちあがるとひよりは千本松に深々と頭を下げた。
「すみませんでした」
「いいのよ、さあ最終稽古始めるわよ!」
「はい!」
ひよりは笑顔が似合う肩まである髪が楽しそうに揺れている。千本松はどこか宝塚の男役を思わせる風貌をしているがその仕草は誰よりも女性らしい。あきえの大きな瞳がキラキラと輝いて二人を追いかけていく。
そんな3人の姿を見つめながら演出家のコトハルこと辻崎しのは今度の作品はイイ作品になるなと確信していた。
つづく。