【短】卒業~ずっとキミが好きでした。~


それから、時間だけが流れていき、私はとうとう柏木とまともに話すこともできないまま2年生になった。


私と柏木は別のクラス。


2年になると、柏木は綺麗な黒髪を栗色に染め、制服を着崩すようになり、不良グループとつるむようになった。


同じクラスじゃないから、柏木に会える時間は極端に減ってしまったけど。


柏木は、うちのクラスによくつるんでいる不良グループの友達がいるからか、休み時間や放課後にうちのクラスに遊びに来ることが多かった。


柏木のことを無意識に目で追ってしまう私。


たびたび重なる視線に、私はドキドキ。


だけど、柏木のことを見ていたってことが本人にバレてしまわないように、私は目が合ってもすぐにパッと反らしてしまう。


廊下ですれ違う時もそうだ。


遠目からなら柏木を見つめることができるのに、いざ、柏木が私のすぐ横を通る時はドキドキしすぎて顔をあげることができないの。


ただ遠くから見つめるだけの恋……。


一方的な私の片思い。








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