【短】卒業~ずっとキミが好きでした。~
ずっとキミが好きでした。
* * *
式典が終わり、教室に戻って最後のホームルームも終わった。
これで、本当に卒業なんだ……。
「ゆず、一緒に写真撮ろうよ」
「うん」
私に声をかけてくれたのは、小学校からの親友のリカだ。
リカと顔を寄せ合い、カメラにむかってポーズをきめた。
「ゆずと高校は別々になっちゃったけど、これからもよろしくね」
「こちらこそだよ」
リカと私は、中1と中3で同じクラスで
、親友のリカだけには、私が柏木が好きなことを打ち明けている。
だから、1年の時の偽ラブレターのことや、黒板の落書きのこと、柏木がアイラちゃんと付き合った過去があることも勿論リカも知っている。
しばらく教室の窓際で話していた私たち。
気付けば、いつの間にかクラスメートたちの姿も少なくなっていた。
そろそろ、私たちも帰らなくちゃ。
「ねぇ、ゆず」
「ん?どうかした?」
「あれ、柏木じゃない?」
「え?」
リカは、窓の外を見つめながら指差している。
“柏木”というリカの言葉に反応した私は、リカの隣から窓の外を覗き込んだ。
「あ、」
ほんとだ……。
校庭のちょうど真ん中らへん。
下級生に取り囲まれている柏木の姿を見つけた。