【短】卒業~ずっとキミが好きでした。~


「柏木の人気すごいね。もう学ランのボタンは全部なくなっちゃったんじゃないの?」


リカが指摘したとおり、柏木は学ランの前をあけていて、今は中に着ているワイシャツのボタンをあげているように見えた。


柏木の制服のボタンや、一緒に写真を撮ってもらっている後輩たちがすごく羨ましくてしかたがない。


私も、柏木の学ランの第二ボタン、欲しかったな……。


いっそのこと、私も柏木よりも学年が下だったらよかったのに。


そしたら、下級生という立場を利用して、あの子たちのように私も柏木に何か欲しいとお願いできたかもしれない。


写真だって一緒に撮ってもらえたかもしれないのにな。


だけど、今の私と柏木の仲じゃ、とてもじゃないけどそんなお願いすることなんてできないよ……。
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