【短】卒業~ずっとキミが好きでした。~
1-2
教室を確認して、その前で立ち止まってしまった。
はぁ~。
すごく緊張する……。
一旦、落ち着こうと何度も深呼吸を繰り返す。
そして、覚悟を決めて教室の中へと足を踏み入れると。
そこに、柏木の姿はなかった……。
「…………」
あれ?
柏木は?
一気に不安が襲い掛かる。
やっぱりこの手紙は、誰かのイタズラだったんじゃ……。
瞳にジワリと涙がこみ上げてきた、その時。
「香山っ!」
……っ!?
えっ!?
「か、かしわ……ぎ?」