【短】卒業~ずっとキミが好きでした。~
柏木と初めて会った日のことは、今でもハッキリと覚えているの。
それは、入学式の日。
うちの中学校は、近隣の小学校二校から来ていて、半分は今日初めて会う人たちなのだけれど。
柏木は、その半分のうちのひとりだった。
「俺、柏木翔太。よろしく!」
新しい環境。
新しいクラス。
見慣れない生徒。
今日から始まるあらたな環境に朝から緊張していた私に、一番最初に話しかけてくれたのが隣の席の柏木だった。
隣の席の人はどんな人なのだろう?と人見知りの私は気になっていたのだけれど、その人懐っこい笑顔で笑いかけてもらった瞬間、緊張感なんて一瞬にして取り払われたんだ。
私が柏木へ抱いた第一印象は、
大きな目がキラキラと輝いていて、明るくて元気で、とても人懐っこい人──。