【短】卒業~ずっとキミが好きでした。~
それからも、毎日、隣の席の柏木と他愛のない会話で笑いあえる日常が楽しくて嬉しくて幸せすぎて。
私は、柏木に会いたくて学校に行っているようなものだった。
恋をすると、こんなにも毎日が楽しくてしかたがなくなるものなんだって思った。
柏木のことがどんどん好きになっていくにつれて、いつか、この気持ちを柏木に伝えたい。
そう思うようになっていた矢先。
私は、クラスの女子の一人から、衝撃的な話を聞いてしまったんだ……。
それは、夏休みに入る直前の放課後のこと。
私はその日、教室の掃除当番で、同じ当番の女子たちとおしゃべりをしながら掃除をしていた。
すると、会話はいつの間にか“恋バナ”になっていて。
その中にいた女子のひとり、工藤アイラちゃんがとんでもないことを口にしたんだ。
「私ね、実は小6の時に柏木に告白されたの」
予想もしていなかった話に、驚きとショックで頭が真っ白になる。
柏木とアイラちゃんは私とは違う小学校の出身で。
私は、柏木の小学校時代のことについては何ひとつ知らない。
だけど、
知りたくなかった。
小学校時代に柏木がアイラちゃんに告白していたことなんて、知りたくなかったよ……。
でも、告白したっていうことは、それは柏木がアイラちゃんのことが好きだった証拠なわけなわけで。
「…………」
もしかして、今でも柏木はアイラちゃんのことを……?