なんで俺じゃあかんねん
「ハル、寝坊?」
休み時間に、ニヤニヤしながら三木が聞いてきた。
「坂井くん、寝坊すんねんな~。」
ちょうど、横を通り抜けようとした横山さんが入ってくる。
「するで、寝坊くらい。」
「なんで?昨日なんかしてたんか?」
「ゲームしとった。」
三木の質問に素直に答えると
「え!?坂井くんがゲーム?」
横山さんはかなり驚いたようだ。
「なに?」
「いや、イメージちがうから。」
俺たちに向き直って口に手を当てている。
「そう?」
「横山さん、ハルにどんなイメージ持ってるんや?」
いつのまにか、リキトと斉藤もいた。
「ウチのイメージっていうか、女子のイメージは
趣味、洋楽鑑賞!的な?」
その言葉に俺をはじめ、みんながふく。
「なに、それー!」
相変わらずえくぼを出しながら笑う斉藤。
「いまどき、そんな奴おらんやろ。」
「確かに、そうやな~。」
言った本人も、ちょっと笑った。