なんで俺じゃあかんねん
少し目線をさげる。
今にも泣きそうなのに、涙を見せない彼女。
清水さんって、もしかして強い?
「だから、好きでいさせてもらってもいい?」
「俺はいいけど。
それじゃ、清水さんが辛くない?」
俺は絶対に、彼女を好きになることはない。
「ウチがそうしたいから。
っていうか、あきらめられへんから、自動的にそうなっちゃうっていうか。
でも、友達にもなりたいねん!
なんか、おかしいけど。」
清水さんは、少し笑ってみせる。
「俺は、清水さんさえよければ。
好かれてうれしくないわけないし。」
「・・・ありがとう。」
そう言って本当にうれしそうに、でもどこか泣きそうに笑った。
それを見て、また自責の念にかられた。
ごめん、清水さん。
こんな俺を、好きになってくれてありがとう。
「じゃあ、ウチらの友達記念にかんぱ~い!」
明るく笑ってカルピスを持ち上げる。
俺も素直に笑って
乾杯に応じた。