なんで俺じゃあかんねん

「でもさ、ってなったら姫だれやる?」

一人のその一言に教室の空気がはりつめる。

・・・怖い。



「やめよ!」

劇を言い出した女子がにっこり笑って着席した。

「争いはなにも生まんよな。」

とか言ってる。

だから怖いって。

「あ、じゃあ劇はなしで、他はないですか?

男子からは意見ない?」

女子ばっかで男子はずっと静かやし。

一番前の男子と目があって、目でもう一度問いかけてみる。

「正直、めんどくさくないやつってくらいしか。」

相手はそう答えて「なんでもいいかな。」と付け足す。

他の男子も同じ感じみたいで、とくに意見はでなかった。



結局、そのまま俺たちのクラスは喫茶店をやることになり

しかもただの喫茶店ではおもしろくない、ということで、

女子は全員調理班、男子のみ接客、という

執事喫茶っぽい喫茶店

に決定した。




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