なんで俺じゃあかんねん
「お母さんにそう言われた時、なんかもう頭真っ白になっちゃって・・・
とにかくそこから、どっかへ行っちゃいたくて飛び出してきてん。

でも行くとこもないから、この公園来て・・・。

それで、坂井くんの・・・声が聴きたくて。」

え?なんで俺?

俺なんか、なんもできんのに。

でも

「俺に電話くれたんはうれしいよ。」

泣いてる時に、呼ぶくらい俺のこと頼ってくれてうれしいよ。

「ごめん・・・あと来てくれてありがとう。」

「いや、全然。」

「坂井くん、私どうしたらいいかな。」

・・・・。

その質問に答えられなかった。

だって、俺もどうしたらいいなんてわからへん。

でも、雅さんの人生やねんから、雅さんの好きに生きてほしい。

ピアノを続けたいなら続けてほしい。

文化祭だって、参加したいならすればいいと思う。

でも、それが出来へんねんよな。

俺らは所詮まだ子供。

親の保護下で生活している。

だから、親の意向に、最終的には添うしかないと思う。




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