なんで俺じゃあかんねん
口をむっと突き出したまま、上目遣いに俺を見上げてくる。

俺のが背が高いから、上目遣いになるのは仕方ないかもしれないけど。

でも、おまえ・・・

それは。

それは、反則やぞ!?

なんやねん。

なんでそんなこと言うねん。

まるで、おまえ・・・俺のこと好きみたいやん。

「な、なんで!?」

思わず、ぐっと手を引く。

もっと葵との距離が縮まって、葵がまた顔を赤くする。

「私が嫌やから!!」

でも、葵は空いている手で俺の胸を押してまた距離をとった。

「真似すんなよな・・・。」

はあ・・・

一つため息をついた。

なんで嫌やねん・・・。

なあ、教えてくれ。

おまえは、今なに考えてるねん。

「まあ、葵に言われんでも、雅さんと付き合うつもりないよ。」

「え・・・?でも、ハル。」

「なに?」

「雅さんのこと好きなんじゃないん?」

「はあ?」

なに?おまえ、そんなこと思ってたわけ?

「え、違うん!?」

「・・・ちゃうわ、あほ。」

ポカっと葵の頭を小突く。

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