なんで俺じゃあかんねん

一回頷いて、また私を見て

「そっか。」

と一言。


「真田くんの気持ちは、ホンマにうれしかった。
文化祭で告白してくれて、ドキドキした。

真田くんを好きになりたいって、思った。

だから、今まで返事待たせちゃって・・・。

けど、このまま付き合っても、相崎くんの時と同じになるだけやから。」

私の話を、真田くんは黙って聞いていた。


「自分の気持ちに嘘ついても、
私を好きって言ってくれてる人を、傷つけるだけやから。

優しい真田くんを、これ以上傷つけたくない。」


自分勝手なこと言ってる。

責められても仕方ないこと。

けど、真田くんは責めたりしない。

それがわかってるのにも、自分で嫌になる。

いっそ責めてくれたらいいのに・・・

いや、そうされてすっきりしたいだけ、か。

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