なんで俺じゃあかんねん
なんで・・・

こんな私のこと、なんでそんなに想ってくれるの?

私にそんな価値ないのに。

きっと真田くんなら、もっと良い人おるのに。


「でも坂井さんが出した答えなら、しゃーない。

これからもいい友達でおってな。」

真田くんを直視できない。


ごめん、ってまた言いそうになって

抑えた。


これ以上余計な言葉はいらない。



何を言う資格もない気がした。


私の立場で、今できることは、きっと。


「私こそ、これからも友達としてよろしく。

じゃあ、先帰るね!」


彼を一人にすること。


「うん、気つけてな。」

せめて私のまえで

最後まで笑顔でいられるように。



早く、この場を去ること。

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