なんで俺じゃあかんねん
「真田くん、あんなに近くで見れたとかラッキー!」

「予選では遠かったもんな~。でも、やっぱりイケメンには~」

体育館から出て、校舎裏で聞こえて会話。


・・・真田?

覚えのある名前に、声がした方向へ行ってみると、

女子二人組が話ながら、こちらに向かって歩いている。

あれは、予選決勝であたった高校のジャージ。


「すいません!」

「え?はい?」

この女子らの言う"真田くん"が俺の探してる人物と同一の可能性は高い。


「俺、M高の1年なんですけど、

さっき話してた真田って・・・うちの2年の真田 海先輩ですか?」

「うん、そうやけど。」

「今探してて・・・。どっかで見ました?」

不思議そうな顔をしていた彼女たちも合点が言ったように「あー。」と声をあげる。


「ここからもうちょっと行った水道のところで、彼女さんとしゃべってたよ。」

「彼女?」

それを聞いて、嫌や予感がした。


「うん。めっちゃ仲良さそうやったよな~?」

「ほんまに。ショック~。」

騒いでいる女子二人に

「ありがとうございます!」

と頭を下げて、走り出す。



・・・どういうことや。

やっぱり、付き合うことになったんか?


じわりと汗がにじむ。

けど、とりあえず行かないと。




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