なんで俺じゃあかんねん


"オトウト"


葵の口からその4文字がでるたびに

俺の顔がどんどん強張っていくことに、葵は全く気づいてない。



姉として俺を見る葵の表情に

俺が泣きそうになることにも、やっぱり気づいてない。



俺に許してほしくて、来たんやったら

俺が喜ぶようなこと言えよな・・・・・。



ホンマ、鈍感・・・・

最悪。

あの女・・・・

ホンマ、最低やで・・・・・。





「ははっ・・・ははは、はは・・・・」



気をゆるめたら、今にも涙がでそうになって

俺は笑った。





「くそが・・・・・・」




拳を握り締めて

思いっきりベットに振り下ろす。



その振動に任せてそのままベットに横たわった。




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