なんで俺じゃあかんねん
第2章
ゴールデンウィーク明け。
はじめての席替え。
今までは、先生たちが生徒の名前と顔を覚えるためにしなかったらしい。
担任の先生が教卓の上にたたんだ紙を無数に散らした。
「はい!
じゃあ、窓側からひいてって~。」
先生の言葉に従い各々引いていく。
俺は、さ行だから、けっこう早くに順番がまわってきた。
くじをひいて中の数字を確認した後、先生にくじを返す。
「なあなあ!ハル、何番?」
先に席に戻らず、俺を待っていたらしい斉藤。
「28。」
「28!?けっこう後ろの方やんか~ええなあ!!」
黒板に、1から40までの数字が前の席から書かれた座席表が書いてあって
俺たちは自分がひいたくじの数字の席に座るってこと。
俺は28番で8列中5列目。
「斉藤は何番やったん?」
「・・・・1。」
「っぶっ!!さすがは、はじめくん!!」
「うるさいな~。」
1ってことは、一番前の窓際か・・・・。
「いや、1引くのもなかなかすごいで?」
「アホか。1ひくんも、28ひくんも、確率は同じや。」
「まあ、それはそうやけどな。」