なんで俺じゃあかんねん
「二人とも何番やってん?」
席にもどると、さっそくリキトが聞いてくる。
「そういうリキトが先言えや~!!」
そうやな。
リキトは1列俺たちより先。
くじを引き終えて帰ってきてからも、いくら聞いても番号を言わない。
「ええから、はよ言えや!!」
リキトは意地でも言おうとせん。
「俺、28。」
しかたないから俺が言う。
「はあ!?おまえ、きっしょ!!」
「おまえが聞いてきたんやろが・・・・。」
素直に答えたのに、きしょいとは何事や。
「斉藤は?」
「こいつ、名前と一緒やで。」
「・・・は?どういう意味?」
「俺、1。」
ニヤニヤする俺に対して、暗い顔で応える斉藤。
「マジで!?・・・・俺、6。」
6・・・?
ってことは、廊下側の一番前やん!!
「おまえら、そろって前引きすぎやろー!」
まじうける!
思わず笑った。
「うるさいぞ、ハル。」
「ホンマや。自分が後ろやからって。」
「まあ、俺くじ運いい方やからな。」
得意げに言うと、二人から「ケッ」と顔をしかめられた。