なんで俺じゃあかんねん
席を移動すると、左と後ろが男子で右と前が女子だった。
4人とも話したこともないし、名前も知らない。
なんか、緊張してきたかも。
「やった~!!坂井くん!」
「え?・・・な、なに?」
席につくとすぐ、前の女子が振り返って話しかけてきた。
「だって、この学年一のイケメンさんとお近づきになれるチャンスやもん!」
「は!?」
学年一のイケメン?
なんやねん、それ・・・・。
誰が決めたん?
「えぇ~~!!気づいてなかったん?
めっちゃ騒がれてんで?坂井くん。
先輩たちからも、よく聞かれるし・・・。」
女子はテンション高めに話を続ける。
「そんなん、普通気づかんって。」
「そうかな?
あ、ウチは横山 亜優。よろしく!」
「坂井 春也。よろしく。」
「いや、知ってるって。」
「あ~そっか。」
さっきから、何回も呼ばれてたもんな。