隣の部屋の年上狼
お腹空いた…
大家さん帰ってこないし…
夜風冷たいし…
最悪だ…
ガチャ。
隣の部屋のドアが開いた音。
今度は、馬鹿にしにきたの!?
あたしは意地になって、ずっと下を向いたままだった。
「いつまでそこにいる気?」
「……大家さんが来るまで」
「鍵無くしたの?」
「……違う…けど。
とにかく、あ、あなたには迷惑かけませんから!」
「…可愛げねぇ態度…」
からかいに来たの…!?
「ゴキブリでも出たのか?」
「………いいえ…」
からかうだけだよ。こんなオトナのヒトに何か言ったって。
「言っとくけど、大家なら帰って来ないぞ。今日は友達の親の通夜なんだと」
「うそ!」
「嘘じゃねぇよ。朝話したからな、大家と」