黙って俺に抱かれてろ。
先生に助けを求めようにも、その先生さえ周りには立っていない。
もちろん携帯も制服のポケットの中で、通信手段もない。
…完全に孤立してしまった。
「と、とにかく進まないと。誰か先生が見えるまでは…!」
ズキズキ痛む右足をかばいながらなんとか足を進めていく。
おそらく女子はあたしで最後。
男子も、あとは嫌々走っている…というか、のらりくらりと歩いている学校の問題児ばかり。
捻挫をして動けないあたしを見たところで、しれっと素通りされるのが目に見えていた。
…のだけれど。
「――ひゃあああ…!」