贖銅(ぞくどう)の刑
それは、おじいさんもおばあさんも、もちろん母親でさえ、両親の離婚の理由と同じく、何度訪ねても教えてはくれなかった、千歳が小さい頃からの一つの謎ではあった。

そんな事をひたすら考えながら、母親の机の上に飾ってあった写真立てを手に持って眺めていた。

「お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、そしてお母さんに抱かれている赤ちゃんの頃の私が映って…

まだ、この頃は私、火傷、負っていなかったんだ…



ん?あら!?」

ふと、千歳は偶然、手に取っていた写真立ての、ある部分が変な事に気が付いた。
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