贖銅（ぞくどう）の刑

そうだな、お前も知っての通り、没落こそすれ、元々私の家は、由緒ある家柄。

かつての、城戸の家に恩義を感じている、元使用人達の一族は、方々に存在する。

母も、今は亡き父も、よほど私が哀れに思えたか、その計画を持ち出した時、我らは、来世は地獄行きだろうなあ、と、苦悶の表情を浮かべながらも賛同してくれた。

お前の娘が、私の放つ予定のお仕置き隊によって、もっと詳しく言えば、千歳が歩む人生の前に現れる予定の、ご近所さん、先生、クラスメートなど、私の息のかかった人物を複数送り込み、徹底的に苛み倒す。

ただ、それだけでは当然、それが行われた事実としてのリアル感に欠けてしまう。

そこで、お前も含め、お仕置き隊には前もって、そんな絶好のシーンに出くわした時の為に、録音できる物を持参させておく。

…定期的に、生の千歳の悲鳴を私に届けるんだ。

それを、今後の私の心の傷に塗る薬代わりにしよう。

いいか、滞納は、絶対に許さない。言っておくが、お仕置き隊は、お前の滞納を許さない見張り役でもあるんだ。

これが、私がお前に与える刑罰、贖銅の刑だ、と。