氷点下のテルミドール
彼氏がいるのに元カレと
「加奈ちゃん、雄也の事よろしくね」
「お義父さん、お義母さん。こちらこそよろしくお願いします」
「こんな可愛らしい子が私の娘になるなんて
 お母さん嬉しいわ♪
 あとは拓也ね。彼女はできたの?」
「仕事が楽しいからそんなの二の次だよ」
「まったく、もう……」

今日は彼のご両親に結婚の報告
そして元彼──拓也と再開する日。

和やかに談笑する中、ゆっくりと席を立ち上がり
「ごめんなさい、トイレをお借りしたいのですが…」
と言いながら拓也に視線を送る。

「この扉を右に曲がって突き当たりよ、大丈夫?」
「はい、大丈夫です。」
怪しまれないようににこやかに部屋を出る
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