氷点下のテルミドール
私の言葉に絶句しているが
「さすがにそれはまずいだろ。
 雄也にバレたらどうするんだよ」
そう言い抱き合った身体を離そうとする
久しぶりの彼の感触を離れまいと腕を掴む

「彼はね、優しいから全部許してくれるの
 だから大丈夫」
くすくすと怪しい光を放ちながら微笑む

あなたと付き合っていた頃の純粋さなど
もうどこにもない。

私が望むものを手に入れるためには
天使だって悪魔にだって
何にだってなってみせる
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