氷点下のテルミドール
「あなたは風のような人だから、
私の手では通り抜けてしまうもの
だからせめてあなたと遺伝子を分け与えた子が欲しいの」
呪文をかけるように逃げることなど許さない
そんな瞳を宿しながら彼を見る
「──負けたよ。」
近くに感じるぬくもりと変わらない匂いに瞼を閉じる
「…ふっ。お前変わったな。
いや、俺が変えたのか…そんなお前も悪くないな」
私の手では通り抜けてしまうもの
だからせめてあなたと遺伝子を分け与えた子が欲しいの」
呪文をかけるように逃げることなど許さない
そんな瞳を宿しながら彼を見る
「──負けたよ。」
近くに感じるぬくもりと変わらない匂いに瞼を閉じる
「…ふっ。お前変わったな。
いや、俺が変えたのか…そんなお前も悪くないな」