。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
だけど
そう簡単に偶然て重ならないもんだな。
同じ時間帯の電車に乗っても、おにーさんとは会えなかった。
ドラマとか映画だったらさ~、二人はばったり再会するもんだろ??
どーでもいいときに会って、本当に会いたいとき会えないのがやっぱ現実だよな…
「残念だね」
新垣 エリナもしょんぼりと項垂れる。
大体…似たような背格好のサラリーマン多すぎるってんだよ。
む゛~と考え込んで腕を組んでいると、ふとひらめいた。
あのおにーさん…
中央商事の社員だって言ってた。
その会社に行けば、
会えるんじゃ??
そうだよ。
その手があったじゃん!
一人納得したけれど、でも会社の所在地なんて分からないし。
……あとでキョウスケに調べてもらおう…
でもキョスウケ……昨日あんなことがあったし、しばらくはあたしとまともに顔合わせてくれなさそうだしな…
戒にでも頼むか…
結局、あたし一人じゃ何にもできないなぁ。
ガクリ
項垂れていると、
「ねぇ龍崎さん、このあとちょっと時間ある?
よければうちに来ない?」
新垣 エリナは立ち直りも早くにこにこ聞いてくる。
断る理由もなかったし、別に暇してたからそれもいいかも。と思って
「うん、行きたい」
あたしは快く頷いた。