。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
時限爆弾のウィルスもうまくいったし、あとはコーチを黙らせるだけだ。
あたしは立ち上がった。
「新垣さんを早くあの男から解放するよ」
急に言い出したあたしに新垣 エリナが目をまばたく。
思い立ったが吉日、だ!
「鴇田んとこに行く!
行って頼んでくる!!」
戒には勝手なことするな!って怒られそうだけど、だって居てもたってもいられないもん。
「い、行くって今から!?」
新垣 エリナも立ち上がり、
「頼んでくるだけだ。あいつも多忙だし早いうちに頼んだ方がいい」
あたしが拳を握って決意すると、
「あ、あたしも一緒に行く!」
と、新垣 エリナが言い出した。
―――
―
「行くって言ってもヤクザの本拠地だぜ?
新垣さん大丈夫?」
勢いでついてきちゃった新垣 エリナを心配そうに見ると、
「叔父様の会社って普通の会社なんでしょう?」
「まぁな…」
裏では色々あくどいことやってそうだが…
「あたしが当人なのに、何もしないで全部龍崎さん任せにしたらやっぱりダメだよ」
と新垣 エリナは真剣。
律儀だなぁ。てか真面目だ。
「ところで龍崎さんのお父さん、元気??」
「だぁかぁらぁ!鴇田はあたしの親父じゃねぇっつの!」
これさえなけりゃな。