。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
着物美人!?
■ 着物美人!? ■
大体、何であいつとあたしを結びつける!
これっぽっちも似てねぇし、第一年齢が若すぎるじゃねぇかよ!!
兄貴だったらまぁ分かるけどな。
「あんな素敵なお父さんが居たら授業参観とか来てほしいよね♪
あたし自慢しちゃう」
聞こうよ!人の話をっ。
「だからありゃ…」
言いかけたところで、
「すんまへん」
聞き慣れない女の人の声に呼び止められた。
きれいな関西弁―――……
不安そうに何かのメモを握っている和服姿の女の人だった。
黒い髪をきっちり纏めあげて、品の良いグレーの生地の着物。
ぅぉおお!美人だな、おい!
切れ長の目。すっと通った鼻梁。肌は雪のように唇に差した赤いの口紅が良く合う。
鈴音姐さんと同じぐらいの年齢かな。
一瞬芸子さんかと思った。それぐらい品が良くて美人だったから。
ん??
でもこの顔どこかで……
「この場所に行きたいんですが。
教えてくださいます?」
新垣 エリナと二人してメモを覗きこんでいるときだった。
ドンっ!
道を歩いていた数人の男が派手に女の人にぶつかり、その男は大げさによろけた。
女の人もよろけて、あたしは慌てて彼女を支えた。
「いってぇな!」
男がこれまた大げさに顔をしかめて、
なんだか凄く嫌な気分になった。